院試費用シミュレータ
「院試っていくらかかるの?」に答えます。検定料・英語試験・教材・交通費・宿泊費を入れると、併願校数もふまえて合計の目安を出します。開いた時点で国立1校のモデルケースが入っているので、自分の条件に書き換えてください。
初期値の意味と、このツールに入っていないもの
開いた時点の数字は「国立大学院を1校、検定料30,000円、TOEICを4回(1回7,810円)、教材費15,000円、交通費20,000円、宿泊1泊10,000円」というモデルケースで、合計106,240円になります。検定料30,000円は国立大学の大学院の標準額(省令で定められた額)、TOEICの受験料はIIBCの公表額です。教材費・交通費・宿泊費は運営者が置いた目安なので、自分の条件に書き換えてください。併願する校数を増やすと、検定料は校数ぶん増えます。
入学金と授業料は含めていません。これは受験にかかる費用のシミュレータで、合格後に必要になる入学金(国立は282,000円が標準額)と授業料は別枠です。金額はいずれも年度・大学・受験回数・居住地で変わる目安で、正式な額は各大学の募集要項と実施団体の公式サイトが正です(出典は下の「計算条件・参照情報」)。
院試にかかるお金を項目ごとに把握する
大学院入試は、検定料だけを見て予算を立てると必ず足りなくなります。実際には英語試験の受験料、参考書、遠方への交通費と宿泊費が積み上がり、併願するほど倍々で増えていきます。運営者(東大院 生命環境科学系〈広域科学専攻〉在籍)は2024年に地方の国公立大学から東大院を外部受験しましたが、4月の研究室訪問と夏の筆記試験で東京への往復が2回あり、外部受験では検定料より移動と宿泊のほうが大きな費目になり得ます。私の場合、予備校は使わず、対策費そのものは5万円弱(TOEIC受験料4回で約3万円、教材が約1.5万円、専門の教科書代は0円)。そこに検定料と交通費・宿泊費が乗る形でした。上のツールは主要な費目を入力して合計を出すことで、事前に必要な金額を見積もるためのものです。
①検定料(受験料)
国立大学の大学院は、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」(平成16年文部科学省令第16号)の別表で検定料の標準額が30,000円と定められており、ほとんどの国立大学院がこの額です(学部入試の17,000円より高い点に注意)。公立・私立は大学ごとに定めており、国立と同程度からやや高めまで幅があります。併願する場合は単純に校数ぶんかかり、3校受ければこれだけで9万円前後です。併願校の試験日と入金締切の並びは院試併願カレンダーで確認できます。
②外部英語試験の受験料
TOEIC L&R公開テストは1回7,810円(税込。紙の公式認定証なしなら7,700円)、TOEFL iBTはUS$195(2025年4月改定。円換算で3万円前後)と高額です。多くの人が1回で目標点に届かず複数回受験するので、初期値は運営者が2024年の受験で実際に受けた回数(3〜6月に4回)にしています。この費目は「1回で済むはず」と考えて過小に見積もられがちなところです。必要な勉強時間の逆算はTOEIC目標スコア逆算で計算できます。
③教材費
専門科目の参考書、英単語帳、過去問のコピー代などです。専門書は1冊3,000〜6,000円することも珍しくなく、複数分野を対策すると2〜4万円程度になります。大学図書館の蔵書や先輩からの譲り受けを活用すると圧縮できる費目でもあります。
④交通費・宿泊費
見落とされやすいのがここです。研究室訪問で1回、試験本番で1回、場合によっては説明会でもう1回と、同じ大学に複数回足を運ぶことになります。遠方であれば新幹線や航空券の往復に加えて前泊が必要になり、1校あたり数万円に達します。研究室訪問をオンラインでお願いできれば往復1回分が浮くので、遠方の人は研究室訪問ガイドのオンライン面談の項も見てください。
⑤合格後にすぐ必要になるお金
受験費用とは別に、合格後は入学金(国立で282,000円、私立は大学による)と前期分の授業料が短期間で必要になります。併願して滑り止めに入学金を納めるケースでは、さらに20〜30万円が上乗せされます。第一志望の発表より前に併願校の入金締切が来る組み合わせ(併願カレンダーが「入金地雷」として警告するもの)は、出願前に把握しておいてください。受験の予算と進学の予算は分けて考え、進学分は早めに家族と共有しておくと慌てずに済みます。
国立の学費は「標準額」と「実際の額」がずれ始めている
国立大学の学費は同じ省令で標準額が定められており、授業料は年額535,800円、入学料は282,000円です。授業料は2005年度から、入学料は2002年度から据え置かれています。ただし各大学は、この標準額の120%(授業料で年額642,960円)を上限に、独自に増額できる仕組みになっており、近年これを使う大学が増えています。
学部の授業料を上限額まで引き上げた例としては、2025年度からの東京大学、2026年度からの名古屋工業大学・埼玉大学・電気通信大学・山口大学などがあります。これ以前にも東京工業大学、東京藝術大学、千葉大学、一橋大学、東京農工大学などが引き上げを実施しています。大学院についてはまだ標準額のままの大学が多いものの、東京大学は修士課程を2029年度から、埼玉大学は大学院を2027年度から、電気通信大学は博士前期課程を2030年度から引き上げる方針を示しており、この流れは今後も続く可能性があります。
つまり「国立なら年約54万円」という前提は、志望校によってはすでに成り立ちません。2年間で見ると、標準額なら授業料1,071,600円+入学料282,000円で約135万円、上限額なら1,285,920円+282,000円で約157万円と、21万円ほどの差が生じます。志望校の学納金ページで、自分の入学年度の額を確認してください。
費用を下げられるポイントはどこか
院試の費用は固定費に見えますが、実際には削れる部分がはっきり分かれています。
まず交通費・宿泊費が最も圧縮しやすい費目です。学割証(学生旅客運賃割引証)を使えばJRの片道100km超の乗車券が2割引になり、往復や複数回の訪問では効きます。航空券の早期購入割引、大学の宿泊施設や学生寮の一時利用、研究室訪問と説明会を同じ日にまとめる、といった工夫で1校あたり数万円が変わります。
次に教材費です。専門書は大学図書館の蔵書で足りることが多く、研究室の先輩から前年の資料を譲り受けられる場合もあります。過去問は大学のwebサイトで無償公開されていることがあり、事務室での閲覧・複写のみという大学でも、訪問のついでに済ませれば別途の交通費はかかりません。
一方、検定料と英語試験の受験料は基本的に削れません。検定料は納付後に返還されないのが原則で、併願すれば校数ぶん必要です。英語試験も、受け直すたびに実費がかかります。ここを削ろうとして受験機会を減らすのは本末転倒なので、圧縮するなら交通・宿泊と教材から、というのが優先順位になります。
なお、家計の状況によっては検定料・入学料・授業料の免除や徴収猶予の制度が使える場合があります。多くの国立大学に制度があり、申請期限は入学手続きの時期と重なることが多いため、合格が見えた段階で募集要項の該当ページを確認しておくと間に合います。
併願校数ごとの院試費用 早見表
上のツールの初期値と同じ条件(1校あたりの検定料30,000円、TOEIC 7,810円×4回、教材費15,000円、交通費20,000円)で、併願校数を変えたときの費用の目安です。宿泊が必要な場合は1校あたり1泊10,000円を加えています。
| 併願校数 | 検定料 | 英語試験 | 教材+交通費 | 合計 (日帰り) | 合計 (各校1泊) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1校 | 30,000円 | 31,240円 | 35,000円 | 96,240円 | 106,240円 |
| 2校 | 60,000円 | 31,240円 | 35,000円 | 126,240円 | 146,240円 |
| 3校 | 90,000円 | 31,240円 | 35,000円 | 156,240円 | 186,240円 |
| 4校 | 120,000円 | 31,240円 | 35,000円 | 186,240円 | 226,240円 |
| 5校 | 150,000円 | 31,240円 | 35,000円 | 216,240円 | 266,240円 |
英語がTOEFL iBT(1回3万円前後)の場合、この表よりかなり高くなります。逆に、過去問や教科書を先輩から譲り受けたり、受験を近隣の1〜2校に絞ったりすれば数万円台に収まることもあります。交通費は校数に比例して増えるのが普通なので、遠方校を複数受けるときは上のツールの交通費欄を校数ぶん大きくしてください。
計算条件・参照情報
最終確認日: 2026年9月14日
- 検定料の初期値30,000円: 「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」(平成16年文部科学省令第16号)別表に定める大学院の検定料の標準額。同じ別表で授業料535,800円(年額)・入学料282,000円、学部の検定料は17,000円
- TOEIC受験料7,810円: IIBC「受験料・支払方法」(TOEIC L&R公開テスト、税込。紙の公式認定証なしは7,700円)。TOEFL iBTのUS$195はETS Japanの2025年4月改定の公表額
- 教材費・交通費・宿泊費・受験回数の初期値: 運営者のモデルケース(TOEIC 4回は2024年の自身の受験回数)。実額はご自身の条件で入力してください
- 国立大学の授業料引き上げの実施状況: 各大学の公表資料(2026年8月時点の確認内容。今回は省令の標準額と受験料のみ再確認)
- 確認先: 検定料・入学料・授業料は各大学のその年度の募集要項・学納金ページが正です
公式一次情報: e-Gov法令検索(国立大学等の授業料その他の費用に関する省令) ・ IIBC(TOEIC L&R 受験料・支払方法) ・ 文部科学省
作成・確認: 運営者「おちゃ」(ペンネーム)。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご指摘ください。確認のうえ修正し、変更内容は更新履歴に記録します。
よくある質問
Q. 大学院受験にかかる費用の内訳は?
受験までは検定料(国立の大学院は標準額30,000円)、英語試験の受験料、教材費、交通費・宿泊費。合格後は入学金と授業料です。併願する場合は検定料と交通費が校数分かかります。
Q. 入学金や授業料はいくら?
国立大学は標準額(入学料282,000円・授業料年額535,800円)が定められていますが、標準額の120%まで各大学が独自に増額でき、実際に引き上げた大学があります。私立は大学ごとに異なります。金額は改定されることがあるため、必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。
Q. 費用を抑える方法はある?
授業料免除制度、日本学生支援機構の奨学金、大学独自の給付型奨学金、TA・RAとしての採用などがあります。申請期限が早いものが多いので早めの確認が有効です。
Q. 院試には全部でいくらかかる?
検定料(国立は1校30,000円)にTOEIC4回分の受験料・教材費・交通費を足すと、上の早見表の条件で2校なら約13〜15万円、3校なら約16〜19万円です(各校1泊するかどうかで差が出ます)。英語試験を1回で済ませたり教材を絞ったりすれば数万円下がるので、当ツールで自分の条件を入れて確認してください。
Q. 検定料が免除されることはある?
災害の被災者を対象にした検定料の免除・減免制度を設けている大学があります。適用の条件は大学ごとに異なるので、募集要項と大学の学生支援窓口で確認してください。