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食品衛生責任者の講習料金を18都道府県で比べた — eラーニングは安くない

飲食店を開くには、店ごとに食品衛生責任者を1人置く必要があります。資格のない人は6時間の講習を受ければ取れるのですが、その受講料が「だいたい1万円くらい」としか書かれていないことが多い。実際にいくらなのかを確かめるために、18都道府県36団体の公式ページから受講料と開催日程を集めました(2026年9月9日時点)。

集めてみて、3つのことが分かりました。

実施団体・受講料・開催日程は開業講習の日程検索で都道府県別に確認できます。

集計の方法

各都道府県の食品衛生協会(および政令市の食品衛生協会)が公開している養成講習会のページから、受講料・eラーニングの有無と料金・受講資格・開催日程を1件ずつ取り出しました。対象は18都道府県、食品衛生責任者が36団体、防火管理者が20団体、開催日程は合わせて507回分(食品衛生責任者293回・防火管理者214回)です。

受講料はテキスト代を含む団体と含まない団体があり、完全に同条件の比較ではありません。また、金額を公式ページに載せていない団体もあります(食品衛生責任者は36団体中32団体、防火管理者は20団体中8団体で金額を確認できました)。

1. 受講料は7,000円〜13,000円。同じ県のなかでも差がある

集合型の受講料が公開されていた32団体で見ると、中央値は10,250円、最も安いのが愛知県食品衛生協会の7,000円、最も高いのが熊本県食品衛生協会の13,000円でした。1万円前後という相場観はおおむね正しいのですが、実際には6,000円の幅があります。

都道府県集合型の受講料eラーニング今後の開催
京都府10,000円〜11,000円10,000円6回
兵庫県10,000円10,000円17回
北海道8,000円〜10,000円10,000円26回
千葉県12,100円12,000円33回
埼玉県12,000円12,000円11回
大阪府10,500円10,500円0回
宮城県9,900円〜10,000円10,000円18回
岡山県9,100円10,300円13回
広島県8,000円〜11,000円12,000円30回
愛知県7,000円10,000円4回
新潟県12,000円12,000円7回
東京都12,000円12,000円25回
沖縄県8,250円10,000円14回
熊本県12,000円〜13,000円13,000円4回
神奈川県11,000円11,000円25回
福岡県10,000円10,000円24回
長野県10,000円10,000円8回
静岡県11,000円28回

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意外なのは、同じ都道府県のなかでも金額が違うことです。食品衛生協会は都道府県単位のものと政令市単位のものが別々にあり、それぞれが独自に受講料を決めています。

都道府県安いほう高いほう
広島県広島県食品衛生協会
8,000円
広島市食品衛生協会
11,000円
3,000円
北海道旭川地方食品衛生協会
8,000円
札幌市食品衛生協会
10,000円
2,000円
京都府京都市食品衛生協会
10,000円
京都府食品衛生協会
11,000円
1,000円
熊本県熊本市食品衛生協会
12,000円
熊本県食品衛生協会
13,000円
1,000円
宮城県仙台市食品衛生協会
9,900円
宮城県食品衛生協会
10,000円
100円

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広島県では、広島県食品衛生協会が8,000円、広島市食品衛生協会が11,000円で3,000円の差がありました。北海道も旭川地方食品衛生協会8,000円に対し札幌市食品衛生協会10,000円です。

2. eラーニングは「安いから選ぶもの」ではない

コロナ禍以降、多くの協会がeラーニングを用意しました。会場に行かずに済むので便利ですが、料金については思っていたのと違う結果になりました。

集合型とeラーニングの両方の金額が分かった23団体を並べると、eラーニングのほうが安い団体はゼロ。15団体が同額で、残り8団体はeラーニングのほうが高いという結果です。

都道府県実施団体集合型eラーニング
愛知県愛知県食品衛生協会7,000円11,000円+4,000円
広島県広島県食品衛生協会8,000円12,000円+4,000円
沖縄県沖縄県食品衛生協会8,250円10,000円+1,750円
岡山県岡山県食品衛生協会9,100円10,300円+1,200円
神奈川県神奈川県食品衛生協会11,000円12,100円+1,100円
宮城県宮城県食品衛生協会10,000円11,000円+1,000円
広島県広島市食品衛生協会11,000円12,000円+1,000円
宮城県仙台市食品衛生協会9,900円10,000円+100円

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愛知県食品衛生協会は集合型7,000円に対しeラーニング11,000円で、4,000円の差。広島県食品衛生協会も8,000円に対し12,000円です。今回いちばん安い7,000円という金額は、会場に足を運んだ場合のものだということになります。

つまりeラーニングを選ぶ理由は料金ではなく、日程の自由度です。集合型は月に数回しか開催されず、平日の日中に丸1日拘束されます。開業準備で動き回っている時期にその1日を空けられるかを考えると、数千円の差を払う価値があるかどうか、という判断になります。

3. 安い協会を選べるとは限らない

「なら愛知県で受ければいい」と考えたくなりますが、そう単純ではありません。今回調べた36団体のうち13団体が、受講資格に在住・在勤や県内での営業に関する条件を書いていました。

もっともはっきりしているのが愛知県食品衛生協会で、「愛知県外および名古屋市で責任者となるための受講は原則不可」と明記しています。京都市食品衛生協会も「京都市内で営業許可を取得される方が対象」。名古屋食品衛生協会はeラーニングについて「名古屋市内が勤務先または自宅の方に限定」としています。

一方で、埼玉県食品衛生協会のように「埼玉県以外に営業施設がある方や埼玉県以外に在住の方も受講可」と明記している団体もあります。東京都食品衛生協会や札幌市食品衛生協会は、集合型について在住・在勤の制限を書いていません。

結論としては、実際に営業する場所を管轄する協会にまず当たるのが確実です。食品衛生責任者の資格は全国で有効ですが、受講できるかどうかは協会ごとの運用で決まります。

4. 開催回数は都道府県で8倍違う

料金より切実なのが、いつ受けられるかです。今後7か月(2026年9月9日時点で公開されていた分)の開催回数を数えると、食品衛生責任者の講習は千葉県33回・広島県30回・静岡県28回に対し、愛知県と熊本県は4回でした。

開業日から逆算するとき、この差は無視できません。月1回しか開催されない地域で定員に達してしまうと、次は1か月後になります。今回集計した範囲では定員の中央値は108人でしたが、受付状況を公開している回は507回中168回(約3分の1)にとどまり、残りは申し込んでみないと分からない状態でした。営業許可の申請前に、まず講習の予約を取るのが実務的な順番です。

5. 防火管理者は安いが、料金を公開していない団体が多い

収容人員が一定数以上の飲食店では、食品衛生責任者に加えて防火管理者の選任も必要になります。こちらの受講料は中央値6,750円と食品衛生責任者より安めですが、20団体のうち金額を公式ページに載せていたのは8団体だけでした。

実施主体は各市の消防局か日本防火・防災協会で、開催回数の偏りは食品衛生責任者以上です。今回の集計では大阪府が84回(うち80回は大阪市消防局)と突出する一方、東京都は6回でした。これは公開されている日程の量の差でもあるため、実際の開催頻度とは必ずしも一致しません。

まとめ — 開業準備での動き方

都道府県別の実施団体・受講料・開催日程は開業講習の日程検索にまとめています。18都道府県56団体・507回分を、都道府県と講習の種類で絞り込めます。

よくある質問

食品衛生責任者の講習はいくらかかりますか?

今回18都道府県36団体を調べたところ、集合型の受講料は7,000円〜13,000円、中央値は10,250円でした。都道府県だけでなく、同じ県のなかでも県の食品衛生協会と市の食品衛生協会で金額が違うことがあります。テキスト代を含むかどうかも団体によって異なるため、申込前に公式ページでご確認ください。

eラーニングのほうが安いですか?

安くはありません。集合型とeラーニングの両方の金額が分かった23団体のうち、eラーニングのほうが安い団体は0でした。15団体が同額、8団体はeラーニングのほうが高く、愛知県・広島県では4,000円の差がありました。eラーニングの利点は料金ではなく、会場に行かなくてよいことと、受講日程を自分で決められることです。

安い都道府県で受講してもいいですか?

できるとは限りません。今回の36団体のうち13団体が、受講資格として在住・在勤や県内での営業に言及していました。たとえば愛知県食品衛生協会は「愛知県外および名古屋市で責任者となるための受講は原則不可」と明記しています。一方で埼玉県食品衛生協会のように県外在住・県外営業でも受講可としている団体もあります。実際に営業する場所を管轄する協会に先に確認するのが確実です。

防火管理者の講習も必要ですか?

収容人員が一定数以上の飲食店では防火管理者の選任が必要です。今回集めた範囲では、防火管理者講習の受講料は中央値6,750円と食品衛生責任者より安い一方、20団体のうち金額を公開していたのは8団体だけでした。多くは各市の消防局や日本防火・防災協会が実施しており、開催回数も地域差が大きいのが実情です。

データの出典と注意

作成・確認: 運営者「おちゃ」(ペンネーム)。最終確認日: 2026年9月9日。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。