院試 併願カレンダー
複数校を併願すると、出願・試験・発表・入金の日程がバラバラで事故が起きます。学校ごとの日程を入れると、時系列で並べて「試験日の被り」「発表前に入金が必要な地雷」を自動で警告します。まず「サンプルの併願日程を入れる」を押すと、警告の見え方が分かります。
学校を追加
初めて使う人は、まず「サンプルの併願日程を入れる」を押してください。架空の3校(A大学=国立・本命、B大学=私立・併願、C大学=国立・併願)が2026年夏入試の現実的な日程で入り、「試験日の被り」と「入金地雷」の警告がどう見えるか分かります。自分の日程を入れるときは、一覧の「すべて消す」か ✕ で消してから追加してください。
警告の判定ルールと、判定しないこと
警告は2種類です。⚠️ 試験日の被りは、2校の筆記試験日が同じ日のとき。🚨 入金地雷は、入力した志望順位を見て、順位が下の学校の入学金締切が、順位が上の学校の合格発表より前にある組み合わせのときだけ出します(第一志望の入金が滑り止めの発表より前にあっても、迷う場面ではないので警告しません)。志望順位を空欄にした場合は、追加した順に第1志望・第2志望…として扱い、判定が順位しだいで変わる組み合わせは ℹ️ で案内します。
判定しないこともあります。筆記と口述が別日程の大学は片方の日付しか入らないので、もう一方は自分で確認が必要です。出願締切の「消印有効か必着か」、試験日が前後1日ずれている(前泊・移動が重なる)ケースも警告の対象外です。日程は必ず各校のその年度の募集要項で確認してください。入力した日程はブラウザ内でのみ処理され、送信されません。
院試の併願で本当に怖いのは「日程」より「入金」
大学院入試を複数校受ける場合、多くの人が試験日の重複だけを気にします。しかし実際に受験生を追い込むのは、第一志望の合格発表より前に、滑り止め校の入学金の納付期限が来るという構造です。入学金は20万〜30万円程度で、いったん納めると第一志望に受かっても返還されないのが一般的です。この「入金地雷」を出願前に把握しておくと、無駄な出費と精神的な負担を避けられます。運営者(東大院 生命環境科学系〈広域科学専攻〉在籍)は2024年に地方の国公立大学から東大院を外部受験しました。国立の夏入試は「7月に出願、8月下旬に筆記、9月中旬に発表」という並びが一般的で、私立を併願するとその発表より前に私立の入金締切が来るのが典型的なパターンです。上のサンプルはこの並びを架空の3校に当てはめたものです。
チェックすべき4つの日付
①出願期間——書類の締切は消印有効か必着かで実質の締切が数日変わります。②試験日——筆記と口述が別日程の大学もあり、両方を押さえる必要があります。③合格発表日——併願の意思決定はすべてこの日を基準に動きます。④入学金納付期限——これが他校の発表日より前なら要注意です。募集要項のPDFから、この4つだけを抜き出して並べるだけでも全体像がかなり見えるようになります。
入金の逆転が起きたときの選択肢
選べる手は、払って保険をかける(第一志望に受かれば掛け捨て)か、払わずに賭ける(落ちたときに進学先を失う)かの二択に見えますが、その前に確認すべき第三の道があります。
第一に、納付期限の延長制度です。他大学との併願者を想定して、申請すれば期限を後ろにずらせる大学があります。募集要項に明記されていないこともあるため、教務課・入試課に直接問い合わせる価値があります。第二に、入学金と授業料の納入時期が分かれているかの確認です。合格発表直後は入学金だけ、授業料は3月以降というスケジュールなら、初期に必要な現金は想定よりかなり少なくなります。第三に、納付方法です。銀行振込のみか、コンビニやクレジットカードに対応しているかで、実質的な締切が数日変わります。振込は金融機関の営業日に縛られるため、期限が土日祝に重なる年は注意が必要です。
これらを出願前に確認しておくと、警告が出た組み合わせでも、実際には慌てずに済むケースが少なくありません。問い合わせは「合否に影響するのでは」と気が引けるかもしれませんが、事務手続きに関する質問は日常的に寄せられるもので、選考とは無関係に扱われます。
併願校数の決め方
院試は学部入試と違い、専門科目が大学ごとにかなり異なるため、併願校を増やすほど1校あたりの対策が薄くなります。過去問の傾向が近い大学同士を組み合わせれば負担は抑えられますが、まったく分野の違う大学を並べると準備が破綻します。一般には2〜3校程度に絞り、そのうち1校は出題傾向が第一志望と近いところを選ぶのが現実的です。校数を増やすと検定料(国立の大学院は1校30,000円)と交通費・宿泊費もそのぶん増えるので、日程の衝突を確認したら院試費用シミュレータで総額も見ておいてください。学内推薦や内部進学の枠がある場合は、その日程も同じ表に入れて管理します。
入学金を払ったあとに辞退したら、返ってくるのか
「とりあえず払っておく」判断をする前に知っておきたいのが、この点についての最高裁判所の判断(平成18年11月27日)です。整理すると次のようになります。
入学金は、原則として返還されません。入学金は「その大学に入学できる地位を取得する対価」と位置づけられており、入学を辞退しても納めた側に返す義務はない、というのが判断の骨子です(金額が不当に高額な場合は例外とされています)。したがって滑り止めに入学金を納めた時点で、そのお金は戻らないものとして考えるのが実務的です。
授業料などは、辞退の時期によって扱いが変わります。3月31日までに入学を辞退した場合、大学は原則として授業料等を返還すべきとされました。一方、4月1日以降の辞退については不返還の特約が有効とされます。また、推薦入試などで専願を前提にしている場合や、大学が他の入試で容易に代わりの学生を確保できない事情がある場合には、3月31日以前でも不返還特約が有効とされることがあります。
この判断は学部入試をめぐる事案が中心ですが、考え方は大学院でも参考になります。ただし個々の契約内容や募集要項の定めによって結論は変わり得るため、実際の返還の可否は必ず出願先の要項で確認してください。ここで押さえるべき要点は一つ、入学金は掛け捨ての保険料として見積もるということです。
併願した全校の結果が出たあと
ここまでは、併願したどこかに受かる前提の話です。全校の発表が出そろっても進学先が残らなかった場合は、冬入試・二次募集に出し直すか、就職や研究生に振り替えるかを、発表の直後から決めていくことになります。下の早見表にも書いたとおり冬入試は募集人数が夏より少なく、実施しない専攻もあるので、まず「まだ出願できる先が残っているか」を確かめるところからです。残る選択肢とそれぞれの判断期限は院試に落ちたら——冬入試・就職・研究生の締切を日付で逆算するで整理しました。
院試併願の基本データ 早見表
併願計画を立てる前に押さえておきたい、大まかな年間の流れとお金の目安です。研究科によって大きく違うので「初めて調べるときの地図」として使ってください。
国公立大学院・夏入試のおおまかな流れ
| 時期 | 動き | ひとこと |
|---|---|---|
| 3〜5月 | 募集要項の公開・研究室訪問 | 要項の公開日をカレンダーに入れるのが併願計画の第一歩 |
| 5〜6月 | TOEIC等の最終受験 | 紙の公式認定証は試験日から30日以内に発送。原本が要るなら最終受験は出願締切の約2か月前が目安で、申込締切からの逆算はTOEIC目標スコア逆算の日程表で確認できる |
| 6月中旬〜7月 | 出願受付 | Web入力と書類郵送の二段構えが多い。締切日は校ごとにバラバラ |
| 8月下旬〜9月上旬 | 筆記・口述試験 | 併願校と日程が被りやすいゾーン。上のツールで重複チェックを |
| 9月中旬〜下旬 | 合格発表 | 私立併願の場合、ここより前に私立の入金締切が来ることがある |
| 12〜2月 | 冬入試・二次募集 | 実施しない専攻も多く、募集人数は夏より少なめ |
実例として2026年度実施では、東京大学 生命環境科学系(広域科学専攻)が筆記7月18日・口述7月28日〜8月3日、大阪大学大学院理学研究科 生物科学専攻(一般入試1次募集)が出願7月6〜9日・試験8月1〜2日・合格発表8月7日と、7月筆記や8月上旬発表の研究科もあります。表の時期はあくまで大まかな地図として、実際の日付は必ず各研究科のその年度の入試案内で確認してください。
お金の目安
| 項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 検定料(国立) | 1校 30,000円 | 省令の標準額。出願ごとにかかる。詳しくは院試費用シミュレータで |
| 検定料(私立) | 大学により異なる | 国立と同程度からやや高めまで幅がある。募集要項で確認 |
| 入学金(国立) | 282,000円(標準額) | 納入は入学手続き時。発表直後に払う必要は通常ない |
| 入学金(私立) | 20〜30万円程度が多い | 合格発表後1〜2週間で納入締切が来る学校が多い |
入金地雷が起きやすい組み合わせ
| 併願パターン | 起きること | 先に決めておくこと |
|---|---|---|
| 本命=国立、滑り止め=私立 | 私立の入金締切(発表後1〜2週間)が国立の発表(9月中下旬)より先に来る | 入学金を「保険料」として払うかどうか、金額を見て事前に決めておく |
| 国立を2校 | 入金地雷はほぼ起きないが、試験日が同じ週に集中しがち | 移動・宿泊の要否。遠方なら宿を先に確保 |
| 夏入試+冬入試 | 夏の結果を見てから冬に出願できる | 冬は募集人数が少ないので、夏を本命として準備する |
上のサンプル(A大学=国立本命、B大学=私立併願、C大学=国立併願)は、この表の1行目と2行目のパターンを1つの併願計画に重ねたものです。
計算条件・参照情報
最終確認日: 2026年9月15日
- 判定ロジック: 筆記試験日が同じ2校を「試験日の被り」、志望順位が下の学校の入学金締切が上の学校の合格発表より前にある組み合わせを「入金地雷」として警告
- サンプルの日程: 架空の3校。国立は7月上旬出願・8月下旬筆記・9月中旬発表・翌3月入学手続き、私立は6月下旬出願・7月下旬試験・8月上旬発表・2週間後に入金締切、という一般的な並びを2026年の暦に当てはめたもの
- 実在の日程の実例: 東京大学大学院 総合文化研究科(広域科学専攻・生命環境科学系)の「入試案内」ページ(2026年9月12日確認)の2027年度入試(2026年度実施)記載: 筆記 2026年7月18日、口述 7月28日〜8月3日。大阪大学大学院理学研究科 生物科学専攻「入試情報(大学院)」ページ(2026年9月12日確認)の令和9年4月入学 一般入試1次募集: 出願 2026年7月6日〜9日、試験 8月1日・2日、合格発表 8月7日
- 入学金の不返還: 最高裁判所 平成18年11月27日判決(在学契約の解除と納付金の返還)の考え方にもとづく注意喚起。個別の可否は各校の要項が正です
- 金額: 検定料30,000円・入学料282,000円は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」(平成16年文部科学省令第16号)別表の大学院の標準額。私立の額は目安
作成・確認: 運営者「おちゃ」(ペンネーム)。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご指摘ください。確認のうえ修正し、変更内容は更新履歴に記録します。
よくある質問
Q. 出願書類の準備はいつから始めればいい?
併願する学校ごとに募集要項も締切も違うため、まず全校の出願締切を一覧にするところから始めます。成績証明書や卒業見込証明書は発行に時間がかかるので、締切の1か月前には手配しておくと安全です。当ツールは入力した出願締切を筆記試験日や合格発表日と同じ軸に並べるので、書類の準備期間がどれだけ取れるかも一目で分かります。
Q. 院試の「入金地雷」とは?
志望順位が上の学校の合格発表より前に、下位の併願校の入学金の納入締切が来てしまう状態です。本命が国立、併願が私立という組み合わせで起きやすく、サンプルの日程を入れると実際の見え方を確認できます。
Q. 試験日の重複もチェックできる?
できます。学校ごとに志望順位・出願締切・筆記試験日・合格発表日・入学金の納入締切を入れると、すべての予定を時系列に並べたうえで、筆記試験日が同じ日になっている組み合わせを警告します。前後1日のずれ(移動や前泊の重なり)は警告しないので、タイムラインで確認してください。
Q. 入学金は辞退すれば返ってくる?
一般に入学金は入学を辞退しても返還されません(授業料は所定の期日までに辞退すれば返還される例があります)。だからこそ、上位校の合格発表より前に下位校の入金締切が来る組み合わせを、出願前に把握しておく必要があります。
Q. 併願は何校くらいが現実的?
2〜3校が一つの目安です。校数を増やすほど検定料や交通費がかさみ、対策の時間も分散します。当ツールで日程の衝突を確認したうえで、費用は院試費用シミュレータで見積もると全体像がつかめます。