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粗大ごみの料金は自治体でどれだけ違うのか — 19自治体6,059品目を実際に集めて比べた

引っ越しでソファを処分しようとして、自治体のサイトで料金を調べたことがある人なら分かると思いますが、あの料金表はとにかく探しにくい。PDFの奥にあったり、受付センターの検索システムにしか無かったりします。そして苦労して見つけた金額が、隣の市だと倍近く違うこともある——本当にそうなのかを確かめるために、19自治体の公式料金表から6,059行を集めて並べてみました(2026年9月9日時点)。

結論を先に書くと、次の3つが分かりました。

以下、データで順に見ていきます。集計に使った6,059行は粗大ごみ料金検索でそのまま検索できます。

集計の方法

各自治体が公式サイトで公開している「粗大ごみ処理手数料一覧」から、品目名・サイズ条件・収集手数料・持込手数料を1行ずつ取り出しました。対象は19自治体(東京23区の9区、多摩2市、政令市・県庁所在地8市)、合計6,059行です。

比較にあたって一つ問題があります。自治体によって品目の切り方が違うのです。「ソファー(一人用)」と書く自治体もあれば「ソファ(幅100cm未満)」と書く自治体もあり、単純に品目名では突き合わせられません。そこで各自治体のその品目カテゴリで最も安い区分(=最小サイズ帯)どうしを比べることにしました。完全な同条件ではありませんが、「いちばん小さいソファを出したらいくらか」という実用的な比較にはなります。

また、自動抽出の精度が基準に届かなかった3自治体(板橋区・京都市・福岡市)は、誤った金額を載せないため集計から外しています。金額が個別に指定されていない189行(サイズで決まる・収集対象外など)は「要確認」として集計対象外にしました。

1. 同じ品目でも1,000円前後の差がある

主要9市区について、品目ごとの最小区分の料金を並べたものです。

品目札幌市仙台市新宿区品川区横浜市名古屋市大阪市神戸市広島市最大差
ベッド(フレーム)500円1,200円1,300円400円1,000円1,000円1,000円300円750円1,000円
ソファ(1人掛け)800円400円700円500円500円700円900円500円500円
タンス500円800円400円1,000円250円200円300円500円800円
900円1,200円900円400円1,000円500円400円300円250円950円
マットレス200円400円400円400円1,000円250円200円300円750円800円
自転車500円400円400円400円500円500円400円300円500円200円
本棚500円800円1,000円1,000円400円600円250円750円

← 横にスクロールすると全9市区を確認できます

ベッドを例に取ると、神戸市の300円から新宿区の1,300円まで1,000円の開きがあります。1点だけならたいした額ではありませんが、引っ越しでベッド・タンス・机・本棚をまとめて出すと、自治体によって合計が数千円変わることになります。

面白いのは、どの自治体が安いかが品目によって入れ替わることです。神戸市はベッドが300円で9市区中いちばん安いのに、ソファは900円でいちばん高い。新宿区はちょうどその逆で、ソファは400円で最安なのにベッドは1,300円で最高額です。横浜市はタンス・マットレス・本棚がそろって1,000円と高めですが、これは料金表の作りの違いでもあります。横浜市の一覧は89品目・5段階(200/500/1,000/1,500/2,200円)とざっくりまとめられているのに対し、神戸市は244品目を5段階に細かく振り分けています。区分が粗いと、小さめの家具が上の段階に丸め込まれやすくなります。「この街は粗大ごみが高い/安い」という言い方は、実はあまり意味がありません。自分が出したい品目で調べるしかない、というのが今回いちばんはっきりした結論でした。

収録した19自治体全体で見ると、1品目あたりの手数料の中央値は400円、最小200円・最大3,200円の範囲に収まっていました。

2. 持ち込みは安くなる——ただし「同額」の自治体もある

19自治体のうち12自治体が自己搬入(持ち込み)を受け付けていました。よく「持ち込めば安い」と言われますが、集めてみると12自治体中2自治体は持ち込んでも収集と同額でした。安くなるかどうかは自治体の料金体系そのものに左右されます。

まず、はっきり安くなる例から。品川区の料金表は、6段階の料金区分すべてに持込手数料が併記されていました。

収集の手数料持ち込みの手数料差額
400円200円−200円(50%引き)
700円400円−300円(43%引き)
1,200円600円−600円(50%引き)
1,700円900円−800円(47%引き)
2,100円1,100円−1,000円(48%引き)
2,800円1,400円−1,400円(50%引き)

全段階でちょうど約半額です。2,800円の品目なら1,400円浮きます。では他の自治体はどうか。12自治体の持ち込み料金を公式ページの記載どおりに並べると、5つのタイプに分かれました。

自治体タイプ持ち込みの料金収集と比べて
大阪市重量制10キログラムごとに90円大幅に安い
神戸市重量制10kgあたり140円(端数切り上げ・当日現金払い)大幅に安い
さいたま市重量制10kgまで無料、以降10kgごとに180円加算(令和8年)大幅に安い
名古屋市重量制10kgまでごとに200円(令和8年10月から270円)大幅に安い
札幌市重量制10kgにつき210円(ごみ資源化工場は140円/令和8年1月以降)大幅に安い
仙台市重量制100kgまで1,500円、超過分は10kgごとに150円量が多いほど有利
品川区品目別収集料金の約半額(6段階すべてに持込料金を併記)約半額
大田区品目別品目により免除または減額(金額の明示なし)安くなる
杉並区一律1点400円(区民のみ・日曜のみ・1回5点まで)品目により安い
広島市無料無料(事前予約も手数料も不要)無料
千葉市同額環境事業所は収集と同額/リサイクルセンターは10kgごとに270円施設による
横浜市同額収集と同じ処理手数料変わらない

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重量制がいちばん安くなりやすいタイプです。10kgあたり90円(大阪市)〜270円(名古屋市の令和8年10月以降)で、さいたま市は最初の10kgが無料。大阪市なら30kgの家具でも270円で、同じ家具を収集で出すと400〜1,000円かかります。さいたま市にいたっては10kgまで無料なので、軽い家具は実質タダになります(収集だと最低550円)。ただし重量制なら必ず得、というわけでもありません。仙台市は「100kgまで1,500円」という下限があるので、400円の品目を1点だけ運ぶと収集の約4倍になってしまいます。重量制の自治体では、まとめて運ぶほど有利です。

品目別は品川区のように収集の約半額を設定するタイプ。重さを量る必要がなく、事前に金額が分かるのが利点です。一律・無料は杉並区(区民1点400円・日曜のみ・1回5点まで)や広島市(手数料も予約も不要)。

そして同額のタイプ。横浜市は市の規則で、自分で施設に運び込んだ場合の手数料も収集と同じ別表の金額と定めています。千葉市も環境事業所への持ち込みは収集と同額で、リサイクルセンターに運んだ場合だけ10kgごと270円の重量制になります。この2市では、運ぶ手間をかけても料金は下がりません(収集の待ち時間を短縮できる、という意味はあります)。

いずれのタイプでも事前予約や受付日時の制限があり、「日曜だけ」「平日のみ」といった条件が付くことが多いので、行く前に必ず公式ページで確認してください。

3. 処理券の額面も自治体でバラバラ

収集を頼む場合、多くの自治体では「有料粗大ごみ処理券」をコンビニなどで買って品物に貼ります。この券の額面が自治体ごとに違うため、慣れた人でも引っ越すと戸惑います。

自治体券種の数額面
三鷹市1種類200円
千葉市1種類390円
品川区2種類200円・300円
杉並区2種類200円・300円
江東区2種類200円・300円
渋谷区2種類200円・300円
豊島区2種類200円・300円
広島市2種類250円・1,000円
名古屋市2種類250円・500円
仙台市2種類400円・3,000円
さいたま市2種類550円・1,100円
川崎市3種類100円・300円・600円
札幌市3種類200円・500円・900円
大阪市4種類200円・400円・700円・1,000円

東京23区の多くは200円券と300円券の2種類で、この組み合わせで400円・900円・1,300円・2,300円・3,200円といった料金を作ります。三鷹市は200円券1種類のみ、千葉市は390円券1種類のみとシンプルです。逆に大阪市は200円・400円・700円・1,000円の4種類がありました。

券は基本的に金額分をぴったり貼る必要があり、多く貼っても返金はされません。申し込み時に案内された金額を必ずメモしてから買いに行くのが安全です。

4. 家電4品目は、そもそも粗大ごみではない

テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)・エアコンの4品目は家電リサイクル法の対象で、ほとんどの自治体が粗大ごみとして収集していません。購入した店や買い替える店に引き取りを依頼するか、指定引取場所に自分で持ち込むのが基本です。

今回の料金表でも、この4品目について自治体が載せているのは「テレビアンテナ」「衣類乾燥機の台」「洗濯機のスタンド」といった周辺品がほとんどでした。本体ではなく台やアンテナだけが粗大ごみ扱い、というわけです。例外的に広島市はエアコン・ブラウン管テレビを3,000円で収集対象としていました。

逆に、粗大ごみだと思われがちなのに実は普通のごみで出せるものもあります。大田区の料金表では、アイロン・傘・シーツ・ドライヤー・ランドセルなどに「※」が付いていて、これらは粗大ごみではなく可燃・不燃ごみとして無料で出せると明記されていました。出す前にサイズ基準(多くは一辺30cmまたは50cm)を確認すると、手数料をまるごと節約できる場合があります。

まとめ — 実際にどう動けばいいか

自分の自治体の品目別料金は粗大ごみ料金検索で調べられます。19自治体・6,059行を品目名で横断検索でき、収集料金と持ち込み料金、申込方法、処理券の額面までまとめて確認できます。

よくある質問

引っ越し先で粗大ごみの料金は変わりますか?

変わります。粗大ごみの手数料は市区町村がそれぞれ条例・規則で定めているため、同じ品目でも自治体をまたぐと金額が変わります。今回の集計では、ベッドの最小区分で300円の自治体と1,300円の自治体があり、1,000円の差がありました。

いちばん安く粗大ごみを出す方法は?

運べるなら自己搬入(持ち込み)が有力です。今回集計した19自治体のうち12自治体が持ち込みを受け付けており、品川区では全6段階の料金区分すべてで持ち込みが収集の約半額、広島市は手数料そのものが不要でした。ただし横浜市・千葉市(環境事業所)のように、持ち込んでも収集と同額の自治体もあります。事前に公式ページで確認してください。

粗大ごみと普通のごみの境目は?

多くの自治体が「一辺が30cmまたは50cmを超えるもの」を粗大ごみとしています。基準未満なら通常の可燃・不燃ごみとして無料で出せることがあり、大田区の料金表ではアイロン・傘・ランドセルなどが明示的に「粗大ごみではない」と区別されていました。

データの出典と注意

作成・確認: 運営者「おちゃ」(ペンネーム)。最終確認日: 2026年9月9日。誤りにお気づきの場合はお問い合わせからご連絡ください。