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院試の過去問を10年分・114問ぶん分析してわかったこと — 実際にやった手順の記録

運営者は自身の大学院受験で、志望研究科の過去問を10年分(理系専門の大問ベースで114問)収集し、全問を転記・分類して傾向を数えました。この記事はその実際の作業記録です。かかった手間も、途中でやらかした失敗も含めて書きます。

やったこと: 10年分を「数えられる形」にする

過去問分析というと「解いて傾向をつかむ」ことだと思われがちですが、最初にやるべきはもっと地味で、全問を一覧表にすることです。私は10年分の問題を1問ずつ「実施年度 × 大問番号 × 分野 × 出題形式(論述・穴埋め・計算)」の表に転記しました。理系専門だけで114問。ここまでやって初めて「どの分野が何回出たか」を数えられるようになります。

作業でいちばん重かったのは、古い年度の扱いです。直近3年分は募集要項と同じきれいなPDFで手に入りましたが、それより前の7年分はスキャン画像のPDFで、文字のコピーができません。結局、画像を見ながら全文を手で転記しました。1日でやろうとすると心が折れる量なので、1年度ずつ区切って進めるのが現実的です。

やらかした失敗

転記の途中で、ある年度の大問の一部(タンパク質の折りたたみに関する設問群)を丸ごと取りこぼしていたことがあります。ページ送りの際に見開きの片側を飛ばしていたのが原因でした。あとから全年度の「大問数と設問数の照合」をやり直して発見できたのですが、この経験から「転記したら、元PDFのページ数・大問数と突き合わせる検算をセットにする」という手順に変えました。分析の土台データが欠けていると、そこから数えた頻度も全部ずれます。

数えてわかること: 「ヤマを張る」ではなく「捨てる順番を決める」

頻度を数えて得られる最大の成果は、「これが出る」という予言ではなく、優先順位の根拠です。10年で毎年出ている分野は最優先で固める。2〜3年おきに出る分野は2番手。10年で1回しか出ていない分野は、時間が余ったらやる。この「捨てる順番」が数字で決まると、残り日数が少ないときの精神的な安定感がまるで違います。

もうひとつ効いたのは、出題形式の変化を年度をまたいで見ることです。同じ分野でも、古い年度は知識の穴埋め中心、近年は実験の解釈やグラフの読み取りに寄っている——という変化は、1年分だけ解いていても見えません。カリキュラム改訂や出題委員の交代をまたぐ古い年度は「傾向のデータ」としては割り引いて、直近数年を重く見るのが安全です。

転記した全文は、そのまま用語リストの材料にもなります。私は問題文と設問から専門用語を抽出して約2,390語のリストを作り、一問一答クイズにして直前期の確認に回しました。分析の副産物として、暗記教材が同時にできるのはかなりお得です。

これから分析する人への手順まとめ

①まず全年度のPDFを集める(公開範囲と入手方法は研究科の事務・公式サイトで確認)。②1問ずつ「年度×大問×分野×形式」の表に転記する。③転記後、元PDFの大問数・設問数と照合して取りこぼしを検算する。④分野ごとに頻度を数え、勉強の優先順位に翻訳する。⑤余力があれば用語を抽出して暗記リスト化する。着手時期の目安は院試逆算スケジューラーが計算してくれます(過去問着手は試験90日前が目安ですが、この「分析つき」でやるならもう1か月前倒しを推奨します)。

※運営者が分析した東大院 生命環境科学系(広域科学専攻)については、この分析をもとにした無料の過去問ナビ(傾向ダッシュボード・用語クイズ・自己採点)を公開しています。他の研究科を受ける方も、上の手順はそのまま流用できるはずです。

よくある質問

Q. 過去問は何年分やるべき?

傾向を数える目的なら、直近5年は最低ライン、10年あると頻度の差がはっきり見えます。ただし解く優先度は直近が上で、古い年度はカリキュラムや出題形式の変化を割り引いて「傾向データ」として使うのが現実的です。

Q. 過去問の解答は公開されていない場合が多いのでは?

多くの研究科では問題のみ公開で、解答は自作するしかありません。だからこそ転記・分類した一覧が効きます。分野が分かれば教科書の該当章に戻れるので、解答づくり自体が体系的な復習になります。